計画が面倒だとおもっている人へ

飲食系が事業計画を作る、という話でよく聞かされたのは、

「オレ、パソコンできねえよ」
「経営のそういう難しいことはだれかまとめてよ」

というような、
数字や文字に対する苦手意識です。

これが原因で事業計画書をちゃんと作らないのだそうです。

現金商売の飲食系は、実は金融機関にはウケがいい。だから最低限のフォーマットをそろえさえすればほぼ通るのですが、「文書マターがいやだ」と駄々をこねる残念な大人子供が、自らの夢を自らの手でつぶしていることが多い現実を、融資担当者や友達の中小企業診断士からたくさん聞かされます。

◆経営が始まったら、「やるか・やらないか」しかない

スモールビジネスは基本的に「できる、できない」ではなく、「やるか、やらないか」です。企業だと仕事は分散化・分業化されるものですが、小規模の、とくにひとりしかいない場合には、得意・不得意にかかわらず、やらなければいけないことはすべて自分がやらなければいけない。だってほかにいないから。苦手なことを先延ばしにしてもいいですが、結局それで被害を被るのは自分です。巷で言う「自己責任社会」をガチでやらされるのがスモールビジネスです。

◆計画を作れ、ということばを真に受けるな

しかし、わたしは計画を作ることを真に受けてはいけない、とも思いました。計画書を作る指南書の多くは、書式やまとめ方のルール解説ばかりで、その後の経営とはまったく関係ないことばかり。マスターしなくてもいいことばかりです。

使えないことをやらされるのがスモールビジネスでは一番嫌うべきこと。
なので、事業計画書づくりを嫌がる風土はある意味正しいんですけれどね。

話を戻して、
事業計画書づくりで大事なのは、計画を作るときに「いろいろ考えること」に尽きます。

たとえば二層式シンクを調達する、という計画があります。
これは結構避けて通れないものの一つです。

大きさをどうしますか?
「なんだっていい」ではこれからずっとやっていく経営に実は影響を及ぼします。

たとえば、
横幅180㎝のものだと、そこで作業できるのは最大4人はいけるでしょう。

ひとり経営が繁盛したとき、4人のヘルプが入ってくれてもびくともしないキッチンを作れますが、それは暇なときはどうでしょうか?その横幅から想像して、キッチンは相当広くなりますよね。

それを渋谷の一等地に作ったら、お店の家賃って相当じゃないですか?
1日15人来客があればペイできるはずが、150人来ないとペイできない店になるかも、と思うと、シンクの長さは「どうしよう」ということになります。

というように。

いっぽう、カフェをやりたがる人は、

1.メニューはどうしよう、
2.内装はどうしよう、

のだいたい2つしか想像力を働かせません。

お客として訪れるカフェから想像するので、目に見えるところから想像が始まるので無理もないのですが、ではメニューを提供する環境、キッチンはどういうものが理想なのか、内装を満たす日当たりや雰囲気を維持するに足る街の雰囲気はどうあるべきなのか、と、1つか2つ、想像を進めることから、こういったことに落としこんで考えていくのが、真の事業計画づくりなのですね。

でないと、つまらん。

「毎月いくら稼ぐ」から考える計画って楽しいとは思えません(昭和の時代じゃないんだから)。

◆それでも経営が、計画が、文書が嫌なら

経営が苦手でも、自分で店をやるからにはやらないといけないのです。それでもいやだというのなら、独り経営の範疇では将来は暗いといわざるを得ません。そうならないためのもうひとつの手段は、それをやってくれる人を探して会社を作るしかないかもしれません。志を同じくする人を探して開業するか、できないところをアウトソースするかのどちらかになるでしょう。

上記の解説もたくさん世の中には出ていますので、くわしくはそちらを見ればいいと思います。

◆考える時間を絶対に確保せよ

ただ、わたしがいいたいのは、指南書をあさるのではなくて、「できないと思ったら別の手を考えればいい」ということです。そしてほとんどの「できない」は、夢を見なければ「できる」に変えられる、ということです。

独り経営でも、大舞台のときには助っ人として店を手手伝ってくれる人がたくさんいました。つながりは同じ自営業の人が多くなるので、やり方について相談したこともかなりあります。

今やっていることが果たして自分にとって幸せを運んでくることなのか。お客さんにとってこの店は価値があるのだろうか。どんなものが価値となっているのだろうか。そんなことを考える。経営について改善点は克服できるのだろうか。

手を動かしながら考えるのではなく、手を止めて、一度ルーチンをリセットして考えることができる環境や時間を、常に確保する癖をつけないと、今まで書いたようなことに対して考え、答えを出すことは難しいです。

人は組織にいれば組織の理論に従って仕事を進め、考えることをしなくなります。独り経営のときには、日々の「やらなくちゃ」を悪い意味でルーチン化してそれに浸ります。どんな立場でも考えなくなり、歯車になるのです。行きつく先に幸せがあった例は、残念ながら私は知りません。

わたしも2年目くらいから、この歯車になってしまいました。
ルーチンをすべて止めて、今までやってきたことを獏として振り返ってみると、違和感を感じたことがたくさんありました。その違和感こそが真の課題だったことが多かったです。それに対して答えを出すのも、作業をしながらではなく、第3者的視点になれる場と時間を作ってでないと、出てきませんでした。

スモールビジネスは、企業で働く以上の労力が求められます。が、無駄なことができない収益構造である以上、効率よく稼がないと立ち行かない。そのためには企業で働く以上に考えることが必要です。

考える時間を確保することは、生命線になります。

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