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The Executive Summary

◆このまとめをつくろうとおもった理由とは

カフェ運営のまとめをつくろうと思ったそもそもの理由とは、自分の転職に向けてのポートフォリオづくりから。自営業というキャリアは、多くの人事担当者には別世界のことらしく、わたしはどこか別の星から来た人のように扱われた。履歴書や職務経歴書に、「自分がオーナーやってました」と書いても、ピンとこないので、流される。応募者をちゃんと知ろうともしない転職市場に途方に暮れた。
自分のカフェ運営の6年は、なんだったのか。履歴書にまとめるのとはちがうまとめを、 実践者の視点で カフェ運営について参考になる資料づくりにもなるように作ってみることにした。

◆創業支援とは、なんなのか

いまの創業支援についての思想は、創業者の「卵をふやそう」というようなものだ。生まれた後の稚魚は、大海にひとり泳ぎださなければならない。そのあとサメに食われようが、知ったことではない。元気にひとりでがんばって大きくなれ、というようなものだ。昭和の臭い漂う仕組みだ。実体験を積んだ人、気の利いた人が求める創業支援は、「稚魚を大事にする」ことだ。ある程度の大きさになるまで、いい水を与え、いい餌を与え、病気にならないよう気を付け、力強く成長していくための下地固めに寄り添う。
開業まではなんとかなる。しかし開業後は支援がなさすぎる。
見知らぬ土地で徒手空拳で始めた起業だったからなおさらなのか、私は常に孤独で、成長の機会がなかったような気がする。なんだかなあって思う。疎外感が残った。
店舗運営を離れて、第3者の視点で改めて今のサポートの所在を調べているが。。。「稚魚を大事にする」方法論を実現するには、何個かのハードルをクリアすることが必要に思えた。おそらく、地域でNPOを作るのが最も妥当な気がする。政府の支援を待ってはいられない。起業の芽をくだらないことで摘まれないようにするには。まずは対処的なまとめからスタートするしか、ないようだ。

◆カフェ運営とコミュニティを一度俯瞰して観る必要がある

わたしはひとり経営だったので、「企業」や「組織」が縁遠い存在になった。たまに大資本を振りかざして「1000食作ってイベント出店してください」というような、相手の事情なんて考えもしない腹の立つオファーが来るくらいだった。
ひとりでやっていくというのは、集団戦を営む組織やそれにかかわる人との一定の距離ができる一方で、個々の能力を結集して成果を上げるプロジェクトとは無縁の世界に在住してしまうということでもあり、人の持つそもそもの存在意義から考えると、自分にとっても、社会にとってもあまりいい状態ではない、とわたしは考える。

ひとり経営者、カフェ経営者にはそのかわり、「コミュニティ」というものがかなり密接によりかかってくる。

コミュニティは企業というような組織形態とはちょっと違うが、人々が何らかの目的で集まって何かをやろう、という姿勢が少なからずあるので、ひとり経営者としての自分はその組織を通じて社会に何か成果を出すことになる。これを自然と求めることになるし、継続して経営ができているお店のほとんどは、複数のコミュニティを自前で持っているのが見てとれる。というか、ここでの取り組みがどのようなものになるかで、ひとり経営者の価値は大きく変わってくると思った。
たとえば、常連さんだけを囲って友達のようなコミュニティを作ると、稼ぎは低位安定するが新しいお客はもちろんのこと、新しいイベントなどの企画に参加することもない、というような特徴がその店に現れてくる。自分だけよければいいという思想の典型的な例であり、それが多い街ではそういった店を「窓口」として、保守カラーの強い排他的な地域が出来上がっていく。
私の経験から、店とは(とくにカフェという業態は)、どんなコミュニティを受け入れ、拒絶するかという態度を通じて、地域の方針が外部に如実に表現される窓口だったと思う。だからカフェを始める前には、どんなコミュニティを作りたいかというものと、その地域に独自に流れる、すでに存在するコミュニティがどんなものかを分析し、比較することが絶対に必要だ。

◆マネジメントへ

自分から見て成長性が高いカフェをやってる人が、2店目を持たずに行列で地域に迷惑をかけていたり、大した内容でもないのになんだかんだでやっていけてるお店のフシギ。 別の視点でそれらを見てみると、マネジメントをどのくらい導入しているかによって説明がつくケースなどもあるような気がしている。
マネジメントとは、経営とはちょっと違ってて、その原典はピータードラッカーという哲学者が提唱する理論からなるものを指している。この視点にあてはめてみると、自分が納得いかないことの多くが解決できたのだが、これをどう紹介したらいいか、悩み中だ。
実際に店舗運営をしてみて、わかったこともたくさんある。やってみないとわからない。そしてどういうわけか、そういうことほど経験者は説明しない。わたしはなるべくそれをここで打ち破ってみたい。

◆しかしカフェは、どう考えても儲かる業態ではない

飲食業は儲かる業態ではないというのは、古くから言われていることだ。世の中の顧客満足尺度や働き方改革の目指すワークスタイルをコピペ導入していると、笑っちゃうくらい成立しない業態だ。
ひとり経営には、その儲からない仕組みがより重くのしかかってくる。
人が来なくて儲からないときは努力が報われずに途方に暮れ、繁盛店になったらさながら賽の河原のごとく、果てしない製造地獄が店主を襲う。その人が倒れてしまったら、おしまいという条件は、常についてまわるリスクだ。そんなところに支援なんてないし、独り戦う経営者は、誰かに支援してもらう、経営を一度俯瞰するなんて余裕はまったくない。
だから、長くもたせる秘訣は、ゆるく細く、になってしまう。
それでもなんとかなった昭和が去り、平成では低位安定を余儀なくされる景気動向の中で、そんな昔からまことしやかにささやかれている説が、社会で立派に機能しているなんて、言い難い。わたしはまさにそのゆるく細くの実践者であり、そしてため息しかない毎日の、さえない生き方だった。
これを打開する方法はないのか?
研究したことを、しかし(運営経験者の視点で超現実的な視点で)まとめてみようかと思う。

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